製造物責任法 (各論)
2 この法律において「欠陥」とは、当該製造物の特性、その通常予見される使用形態、その製造業者等が当該製造物を引き渡した時期その他の当該製造物に係る事情を考慮して、当該製造物が通常有すべき安全性を欠いていることをいう。
◆解説
∵欠陥は以下のように考えられています。
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設計上の欠陥
設計段階で安全性に十分配慮しなかったため、製造された製造物自身が安全性に欠けている場合。
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製造上の欠陥
製造過程で規格外の材料を使用したり、製造工程に誤りがあった等の原因により、製造物が当初の設計・仕様どおりに作られず安全性を欠く場合。
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指示・警告上の欠陥
その使用方法によっては危険な結果が発生する可能性のある製造物について、その危険性の発生を消費者側で防止・回避するために適切な情報を製造者が与えなかった場合。
設計上の欠陥は構造上の欠陥とも考えられます。通常の使用状態でも明らかに危険であるものです。たとえばねじなどで頭が飛び出しているために手や衣類をひっかけてしまうようなものです。製造上の欠陥は、ねじの締め忘れによって部品が欠落したような場合です。指示・警告の欠陥とは最近よくみかけるとおもいますが「混ぜるな危険」などのように、商品の性質上特定の使用方法によっては危険が発生する場合に、そのことに関しての情報を消費者にはっきりとわからせるための処置をおこなわなかったことが原因で発生する不具合のことです。
∵当該製造物の特性
たとえば包丁などはものを切るための道具ですから刃先は鋭利である必要があります。そのために指を切ったとしても、刃先が鋭利であることが欠陥であるという主張は認められないわけです。刑法論でいうところの性質上の凶器という考え方に似ています。
∵その通常予見される使用形態
包丁は料理に使う道具であり、釘を打つ道具ではありません。消費者が釘を打つために包丁を使用し包丁が折れて足に刺さったなどの場合は通常予見される使用形態にはあたりません。一方料理中に包丁をおとして足に刺さった場合は通常予見される使用形態にあたり、この法律が適用されます。
∵当該製造物を引き渡した時期
製造物の引き渡し時点の科学技術の水準では欠陥があるかどうか判断できない場合には、製造者は責任を免れるという意味です。たとえば使用した材料があとから発がん性があると判明しても製造した時点でそのことが周知の事実でない場合は責任を問われないということです。
∵当該製造物に係る事情
その例として行政上の安全基準があげられています。もっともこれを満たしたからといって責任が問われないということはありませんが最低基準は満たしているという解釈が製造者に有利にはたらくことになります。
∵通常有すべき安全性
社会一般の通念・常識・慣習などに照らし合わせて通常の使用方法でそのものに当然期待される安全性です。包丁なら普通に料理に使用される材料を切るという場合には刃が折れて飛び散ったり刃先がぬけて飛び散るなどという通常考えられない状態にはならないということの保障です。その一方使用法を限定しても責任を免れない状況もあります。
たとえば包丁を「魚料理限定」と注意書きした場合に消費者が肉を切って怪我をしたケースは責任がないのかと言えばそれは否です。包丁という製品の通常の使用形態からみて肉を切るということも予見できる使用方法と考えられるからです。
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