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カスタマーレビュー
おすすめ度:
営業企画の入門書
(2008-01-20)
営業のステップを区切ること、ステップごとの進捗を見ること、個々のステップに
かかるリソースを分析し、ボトルネックになるところを打破していくところなど
正にザ・ゴールの営業版ともいうべきわかりやすく、ストーリーが構成されています。
特に法人営業で、提案型営業と呼ばれるような成約までに時間がかかる
営業の管理手法の第一歩としてはわかりやすく書かれています。
もちろん、攻めるべき領域に攻めるべき商品があることが前提にはなりますが、
はじめて営業企画を担当することになったり、営業をマネジメントする立場に
なった人は最低限理解しておきたい、内容だと思います。
一方で、確かにここに書かれている方法はセオリーであるし、それ自体は否定する
ものではないですが、「これは良い方法だ」といって、すぐに現場に導入しようとしても
なかなかうまくいかない可能性があることも理解しないといけないと思われます。
一つは営業担当者は自分のやり方に固執をしがちですし、また、見える化とか
干渉を嫌う傾向にあることです。手法を駆使しようとすると抵抗されたり、
現場はそんなふうに数値やパソコンで管理できるものではないなどと
言われてしまうことも少なくないと思われます。
まずは、現場との信頼関係の構築も重要なカギになってくると思います。
もう一つは理論上のキャパシティと実際のキャパシティが必ずしも一致しない
ことです。営業業務は必ずしも標準化されているわけではないので、全員の
生産性にはバラツキがあることが多いです。全体の生産性をあげるために
業務改善することも大事ですが、業績がよく、生産性が高い営業担当者が
よりよく売ることができるためのサポートを行う方が即効性が高い場合も
あるからです。
そういうことにも配慮しつつ、こういう手法を自分なりに使いながら、
仮説検証のサイクルを丹念に回していけば、効果が出てくるのではないかと
感じました。
TOCで販売の個人スキル(アート)をシステム化する
(2007-02-05)
TOC(Theory of Constraint:制約理論)の提唱者であるエリヤフ・ゴールドラット博士の一連の著書“ザ・ゴール”“ザ・ゴール2”“チェンジ・ザ・ルール”“クリティカル・チェーン”に続く、TOCの啓蒙書(販売に適用)である。装丁が博士の4冊と似ているが、著者はゴールドラット博士自身ではなく、TOC理論の実務家による本である。
「販売はアートである」と公言する営業部門本部長ピアースの後任となったロジャーが、営業部門全体にTOC理論を導入し、販売力向上を個人の能力(アート)向上のレベルからチーム・組織としての能力向上や改善(システム)を実現していくストーリーである。
見込み客の発掘から契約までの(見込み客の数が減っていく)販売プロセスを「じょうご」と捉え、この10ステップの中のボトルネックを特定し能力を向上させ、他のステップを制約条件に従属させることで、継続的なプロセス改善の仕組みを実現した。具体的には、最初のボトルネックはデモ機の不足であったが、スケジューリングの改善、デモ基準の改定、(社内で使われていなかった機械の活用による)デモ機の迅速な補充等により、ボトルネックの能力向上を実現している。次いで、次ステップへの移行率の向上や各ステップの平均所用期間の短縮など、継続的なプロセス改善に繋げている。言い換えると、個の能力(これはアートであっても)を最大限活かすシステマチックな営業組織を実現することで、継続的な改善ができる販売システムを構築し、それをキャッシュマシーンと名づけた。
本書はとても分かりやすく読みやすい。但し、事件やストーリーの描写が粗く、ゴールドラット博士特有のしつこさが無いが、ここは好き嫌いが別れるかもしれない。
TOCの目的は、企業マネジメントをアートからサイエンスに変えることにあると謳っている。
(2007-01-02)
■P46より引用
「いいかい、セールスはアートだ。製造システムと違うんだ。セールスマンシップというのは、もって生まれた能力なんだ。もしその能力がなければ、別の仕事を探すしかない。私が長年、営業で成功してきたのは、契約書に署名するよう顧客を説得する能力があったからだ。そのためには、顧客のニーズやそれから顧客の性格まで詳しく知っていなければいけない。完全なるアートだよ。製造より心理学に近いと言ったほうがいいかな。こんなことを言うのは失礼かもしれないが、君は間違った方向に進もうとしている。」
上記で書かれているように、これまで営業の現場では個人の能力によって売り上げが決まると言われてきました(個人商店という考え方です)。しかし、本書では個人の能力に頼る、換言すると芸術(アート)のような売り方を否定しています。誰がやっても常に一定の成果を収めることができる組織を作るにはどうしたら良いか、これが本書で述べられている主題です。
「ザ・ゴール」などで述べられていたTOC(制約理論)の手法を用い、本書ではある架空の企業の営業現場を劇的に改善していきます。本書を読んでいると、根性論に頼った旧時代の営業を行っている会社に勤めている人は危機感を覚えると思います(私がそうです)。本書の考え方を根幹に取り入れ、なおかつ最新のIT機器、ソフトウェアで武装した企業が競合企業になったらどうなるか。考えるだけでゾッとします。
変化に適応できずに滅びた恐竜のようにならないためにも、最新の営業手法について本書で学んでみては如何でしょうか。
補足&苦言
本書には様々なTOC(制約理論)の考え方が登場しますが、これまでに「ザ・ゴール」などを読んできた人でないと理解が難しいと思います。本書を読んで分からない箇所、さらに詳しく学びたい箇所についてはエリヤフ・ゴールドラット氏の著作を参考にすると良いと思います。
読みやすいです
(2006-10-28)
一般的には製造について多く適用される、いわゆるTOC(Theory of Constraints)を、営業販売分野にあてはめ、大企業の営業本部長である主人公が、落ち込んだ売り上げを立て直すストーリーの小説として描かれている。
「ザ・ゴール」等の、TOCシリーズの、最新訳書。ただし、著者はゴールドラットではない。しかし、話の流れがゴールドラット著書と非常に似ており、いままでのシリーズに親しんでいる読者には読みやすいと思われる。
中途半端
(2006-03-28)
装丁もそっくりなのでゴールドラット博士著と思いきや、他の人の手によるTOC啓蒙の書。内容は、営業を舞台に「雲」「現状認識ツリー」「制約条件レポート」などTOCツールを駆使し問題を解決していくお決まりのパターン。この他にプロジェクトマネジメントについての考え方やドラムバッファーロープといったコンセプトも紹介され、あまりにたくさんのツールを紹介しようとしたため内容が薄くなってしまった。従って、残念ながらゴールドラット作品のあのくどいまでの話の積み上げ、たぶんそれが彼の推奨する論理的思考を表現していると考えられるが、が足りず、内容に緻密さがない。TOCツールを概観的に理解したい人には有効かもしれないが、物事を考えながら論理的に理解するというTOCの趣旨を理解するには逆効果になるかもしれない。
おすすめ度:
営業企画の入門書
営業のステップを区切ること、ステップごとの進捗を見ること、個々のステップに
かかるリソースを分析し、ボトルネックになるところを打破していくところなど
正にザ・ゴールの営業版ともいうべきわかりやすく、ストーリーが構成されています。
特に法人営業で、提案型営業と呼ばれるような成約までに時間がかかる
営業の管理手法の第一歩としてはわかりやすく書かれています。
もちろん、攻めるべき領域に攻めるべき商品があることが前提にはなりますが、
はじめて営業企画を担当することになったり、営業をマネジメントする立場に
なった人は最低限理解しておきたい、内容だと思います。
一方で、確かにここに書かれている方法はセオリーであるし、それ自体は否定する
ものではないですが、「これは良い方法だ」といって、すぐに現場に導入しようとしても
なかなかうまくいかない可能性があることも理解しないといけないと思われます。
一つは営業担当者は自分のやり方に固執をしがちですし、また、見える化とか
干渉を嫌う傾向にあることです。手法を駆使しようとすると抵抗されたり、
現場はそんなふうに数値やパソコンで管理できるものではないなどと
言われてしまうことも少なくないと思われます。
まずは、現場との信頼関係の構築も重要なカギになってくると思います。
もう一つは理論上のキャパシティと実際のキャパシティが必ずしも一致しない
ことです。営業業務は必ずしも標準化されているわけではないので、全員の
生産性にはバラツキがあることが多いです。全体の生産性をあげるために
業務改善することも大事ですが、業績がよく、生産性が高い営業担当者が
よりよく売ることができるためのサポートを行う方が即効性が高い場合も
あるからです。
そういうことにも配慮しつつ、こういう手法を自分なりに使いながら、
仮説検証のサイクルを丹念に回していけば、効果が出てくるのではないかと
感じました。
TOCで販売の個人スキル(アート)をシステム化する
TOC(Theory of Constraint:制約理論)の提唱者であるエリヤフ・ゴールドラット博士の一連の著書“ザ・ゴール”“ザ・ゴール2”“チェンジ・ザ・ルール”“クリティカル・チェーン”に続く、TOCの啓蒙書(販売に適用)である。装丁が博士の4冊と似ているが、著者はゴールドラット博士自身ではなく、TOC理論の実務家による本である。
「販売はアートである」と公言する営業部門本部長ピアースの後任となったロジャーが、営業部門全体にTOC理論を導入し、販売力向上を個人の能力(アート)向上のレベルからチーム・組織としての能力向上や改善(システム)を実現していくストーリーである。
見込み客の発掘から契約までの(見込み客の数が減っていく)販売プロセスを「じょうご」と捉え、この10ステップの中のボトルネックを特定し能力を向上させ、他のステップを制約条件に従属させることで、継続的なプロセス改善の仕組みを実現した。具体的には、最初のボトルネックはデモ機の不足であったが、スケジューリングの改善、デモ基準の改定、(社内で使われていなかった機械の活用による)デモ機の迅速な補充等により、ボトルネックの能力向上を実現している。次いで、次ステップへの移行率の向上や各ステップの平均所用期間の短縮など、継続的なプロセス改善に繋げている。言い換えると、個の能力(これはアートであっても)を最大限活かすシステマチックな営業組織を実現することで、継続的な改善ができる販売システムを構築し、それをキャッシュマシーンと名づけた。
本書はとても分かりやすく読みやすい。但し、事件やストーリーの描写が粗く、ゴールドラット博士特有のしつこさが無いが、ここは好き嫌いが別れるかもしれない。
TOCの目的は、企業マネジメントをアートからサイエンスに変えることにあると謳っている。
■P46より引用
「いいかい、セールスはアートだ。製造システムと違うんだ。セールスマンシップというのは、もって生まれた能力なんだ。もしその能力がなければ、別の仕事を探すしかない。私が長年、営業で成功してきたのは、契約書に署名するよう顧客を説得する能力があったからだ。そのためには、顧客のニーズやそれから顧客の性格まで詳しく知っていなければいけない。完全なるアートだよ。製造より心理学に近いと言ったほうがいいかな。こんなことを言うのは失礼かもしれないが、君は間違った方向に進もうとしている。」
上記で書かれているように、これまで営業の現場では個人の能力によって売り上げが決まると言われてきました(個人商店という考え方です)。しかし、本書では個人の能力に頼る、換言すると芸術(アート)のような売り方を否定しています。誰がやっても常に一定の成果を収めることができる組織を作るにはどうしたら良いか、これが本書で述べられている主題です。
「ザ・ゴール」などで述べられていたTOC(制約理論)の手法を用い、本書ではある架空の企業の営業現場を劇的に改善していきます。本書を読んでいると、根性論に頼った旧時代の営業を行っている会社に勤めている人は危機感を覚えると思います(私がそうです)。本書の考え方を根幹に取り入れ、なおかつ最新のIT機器、ソフトウェアで武装した企業が競合企業になったらどうなるか。考えるだけでゾッとします。
変化に適応できずに滅びた恐竜のようにならないためにも、最新の営業手法について本書で学んでみては如何でしょうか。
補足&苦言
本書には様々なTOC(制約理論)の考え方が登場しますが、これまでに「ザ・ゴール」などを読んできた人でないと理解が難しいと思います。本書を読んで分からない箇所、さらに詳しく学びたい箇所についてはエリヤフ・ゴールドラット氏の著作を参考にすると良いと思います。
読みやすいです
一般的には製造について多く適用される、いわゆるTOC(Theory of Constraints)を、営業販売分野にあてはめ、大企業の営業本部長である主人公が、落ち込んだ売り上げを立て直すストーリーの小説として描かれている。
「ザ・ゴール」等の、TOCシリーズの、最新訳書。ただし、著者はゴールドラットではない。しかし、話の流れがゴールドラット著書と非常に似ており、いままでのシリーズに親しんでいる読者には読みやすいと思われる。
中途半端
装丁もそっくりなのでゴールドラット博士著と思いきや、他の人の手によるTOC啓蒙の書。内容は、営業を舞台に「雲」「現状認識ツリー」「制約条件レポート」などTOCツールを駆使し問題を解決していくお決まりのパターン。この他にプロジェクトマネジメントについての考え方やドラムバッファーロープといったコンセプトも紹介され、あまりにたくさんのツールを紹介しようとしたため内容が薄くなってしまった。従って、残念ながらゴールドラット作品のあのくどいまでの話の積み上げ、たぶんそれが彼の推奨する論理的思考を表現していると考えられるが、が足りず、内容に緻密さがない。TOCツールを概観的に理解したい人には有効かもしれないが、物事を考えながら論理的に理解するというTOCの趣旨を理解するには逆効果になるかもしれない。
